スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヰタ・セクスアリス2 

昭和54年8月4日(土) 2,068日前

僕と、ヒイちゃん、かっちゃんで、コペンハーゲンで飲んでいた夜のことだ。

コペンハーゲンは、アルカディアという北欧レストランの系列の店。カウンターバーだ。今は、カラオケに変わっていて見る影もない。

店にはいると、右側が12mくらいのマホガニーのバーカウンターになっていた。左側には4人がけのテーブルが5つあった。開店は5時。もちろん、客など僕の他はまずいない。入り口のドアの右側のカウンターは、L字に90°曲がっていて、そこにハイチェアが2つある。最も壁寄りに、ミスターへニングという船員くずれの北欧人のおっさんがいつもいた。

へニングは、僕が女性連れだと、うれしそうにいつも寄ってきた。そして、僕の連れにハイチェアに座る手伝いをする。ついでに尻を触る。それでムカツク女性は、そうそうにお引き取り願って、以降、お付き合いはなしと。

バーには、いつも赤い薔薇の花がへニングの座っている横に数十本いけてあった。

バーテンダーは、おばちゃんしかいない。日本人のおばちゃんが5名ほど、カウンターの中でサービスをしている。シェイカーなど振らない。自動シェイクマシンを使うのだ。

コペンハーゲンで飲んでいて、ある日、ヒイちゃんとかっちゃんが僕に願い事をした。

「フランク、300万円ある?」とヒイちゃんが訊いた。
「あるよ」と僕は答えた。
「それ、くれない?」とヒイちゃん。
「何に使うの?」
「かっちゃんとピザの店を開きたいの。」
「開店資金かね?」
「そう、150万円は準備したんだけど。。。」
「足らないわけだ」
「返すわよ、儲けたら」
「いいよ、だけど。。。」と僕はかっちゃんを睨んだ。

かっちゃんは、ヒイちゃんをはさんで席一つ向こう側にいた。

「克行、ヒイに言わせて、なぜお前が言わない?」
「フランク、彼女が言い出しっぺだからな」
「克行、その店はおまえがやるのか?ヒイがやるのか?どっちだ?」
「2人でやるんだよ」
「だったら、お前が言う話だろ?」
「わ、わかったよ。俺からもお願いする」
「ばかもん、『も』ってのは何だ?え?『も』ってのは?」

ヒイちゃんは、困った顔をして僕に言った。

「フランク、からまないでよ」
「ヒイ、お前な、からむもからまないも。。。」
「ねえ、私のお願いなの。聴いてよ、フランク」
「わかったよ」

どうにも面白くなかった。ヒイちゃんがかっちゃんをかばうのも面白くなければ、かっちゃんがヒイちゃんを楯に取るのも面白くなかった。だけど、しょうがない。

それでこの話は終わった。かっちゃんが小便に立った。

ヒイちゃんが「フランク、カツには帰るというけど、つき合ってよ」と言う。
「なんだね?まだ話があるのかね?」
「あるわよ、フランクと私の話があるわよ」

コペンを出た。かっちゃんは結構酔っぱらっている。

「俺、タクシーで帰るわ、ヒトミも帰るか?」
「私、フランクに送ってもらう」
「おし、フランク、頼む」
「いつものことだ」

かっちゃんはタクシーで去っていった。

ヒイちゃんが「フランク、飲み直さない?」と言った。
「しょうがないなあ。ホリデイインに行くか?」と僕が言うと、
「ミリーラフォーレだと、カツにばれるわ」と言う。
「じゃあ、どうするんだ?どこに行くかね?」
「部屋取ってよ、ホリデイインに」
「おいおい、部屋取ってどうするんだ?」
「ルームサービスで、シャンパンを注文すればいいでしょ?」
「よくわからんが、キミが言うのだから。でも、パパとママは?」
「シーちゃんの家に泊まると言ってあるの」
「おいおい」

中華街のホリデイの部屋は、他のホテルよりも大きい。ニューグランドも大きいが高いのだ。いつもバーで飲んでいるので、コペンの横の公衆電話から予約を入れると、すぐ部屋を用意してくれた。

「別々よ、別々に入りましょ」とヒイちゃん。
「お前な、そういう秘密主義はイカンよ」と私。もちろん、なぜヒイちゃんが別々というのかよくわかっていない。酔っているからわからない。

チェックインをして、1001号室のキーを貰った。角部屋じゃないか?

エレベーターの手前で、ヒイちゃんが急に現れて、僕の腕を取った。

「うまくいったわね?」
「よくわからないが、まあ、どうでもいいや」と僕。

部屋に入って、彼女に、「何を飲む?」と訊いた。
「クリュッグ、ノンビンテージ」とヒイちゃんが言う。
「この前、飲ませたんで味をしめたね?」と僕。

その日、ヒイちゃんはやけに大人っぽい服装をしていた。ニットの黒のワンピースだ。僕は、いつもの如く、ボタンダウンのシャツ、チノパンツ。

「なんで、今日はそういう服装なの?」
「フランク、鈍いわね。あなたと泊まるからに決まってるじゃないの?」
「ヒイちゃん、そりゃあ、かっちゃんが怒るよ」
「誰と寝ようと私の勝手よ」
「僕の勝手はどうなるんだ?」

ヒイちゃんは、僕の勝手など知ったことではない、と言った。

「私と寝たいの?寝たくないの?どうなのよ?」ヒイちゃんが言った。

こういう展開は嫌いだ。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://franklloyd.blog68.fc2.com/tb.php/306-4a323449

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。