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スリランカの内戦 (3)  

FI76374_0E.jpg19世紀が始まって2年目。1802年。

この頃のヨーロッパはどんな状態かというと、ナポレオンがヨーロッパを席巻していた時期でした。フランスは、イタリア、ポルトガル、オランダなどはフランスの勢力圏にありました。イギリスはヨーロッパ大陸から封鎖されていました。

1802年、イギリス、オランダ、フランス及びスペイン間でアミアン条約が結ばれました。イギリスの首相で強硬派のウィリアム・ピットが退陣し、対フランス融和派のヘンリー・アディントンが首相になったため、国内の安定を重視したナポレオンの思惑とも一致して、この講和条約が結ばれました。この条約に何の因果か、セイロン=スリランカを長年植民地支配してきたオランダからイギリスへの譲渡が含まれていました。

その頃のセイロン=スリランカはというと、1796年、イギリスが、コロンボ(Colombo)、ジャフナ(Jaffna)、カルピティア(Kalpitiya)、トリンコマリー(Trincomalee)をオランダから奪取し、オランダからセイロン=スリランカを横取りしている最中でした。イギリスの当初の目的は、ナポレオンのフランスに対抗するために、セイロン島をインド帝国の防衛基地として利用することでした。日本の九州よりも一回り大きいだけの島ですから、インドと比較して、地勢的な防衛基地と考えており、経済的な利用は当初は考えていませんでした。ナポレオンも、セイロン島の実効支配がイギリスにある以上、ちっぽけな島をイギリスに譲渡しても実質上の問題はなかったのです。それよりも地中海の戦略上の拠点のマルタ島からイギリス海軍を追い出したかったわけです。

ということで、セイロン島はシンハラ王朝のキャンディー王国の支配地域を除き、完全にイギリスだけの植民地になりました。

FI76374_1E.jpgヨーロッパの戦乱は南アジアには及びませんし、フランスもそこまで手が回りません。インドのポンディシェリなどの都市がフランス支配を受けていましたが、南アジア地域で強大な力を持つイギリスに対抗できるほどの勢力ではありません。その当時、イギリスはシンハラ王朝のキャンディー王国の支配地域を侵略していました。キャンディー王国は1815年に滅亡し、2400年間続いたセイロンの独立も消えてしまいました。

そこでイギリスは、邪魔なオランダもフランスもキャンディー王朝も考えなくて良くなりましたので、当初のインド防衛としての戦略拠点のセイロン島の活用を考えたわけです。どう金儲けをするか?どう収奪をするか?

最初はコーヒーのプランテーションでしたが、気候が合っていないのかあまりうまくは行きません。そこで思いついたのが紅茶。コーヒーも細々とは続いておりました。そういったコーヒー・紅茶のプランテーションの労働力として、敵対していたシンハラ人よりもおとなしいインド人が向いていると考えたイギリスは、タミール地方から移民労働者(ほとんど強制徴用の奴隷)を連れて来始めました。それが1828年頃からです。これら移民労働者が累計で数十万人もの人数にのぼりました。

FI76374_2E.jpgその頃のスリランカの人口から考えると、10%近くの途方もない人口です。現在の日本で考えれば、1億2000万人のほぼ純粋な日本人のいるところに、強制的に朝鮮半島人とか中国人などの日本人とそりの合わない人種を1200万人連れてきたということに等しいわけです。その1200万人の朝鮮半島人とか中国人が日本列島に分散せずに、例えば九州に集中して居住している状態を想像下さい。もちろん、それらの朝鮮半島人とか中国人は、九州の日本からの分離独立を求めるでしょうね。

それまでも紀元前からタミール人の自発的な移住、タミール王朝の侵攻などはあったわけですが、突然、100年未満で人口の10%近くのタミール人がセイロン島にやってきたなどということはありませんでした。

現在、シンハリ人は全人口の74%、約1357万人、古くから住んでいるタミール人は12.6%、約231万人、加えて19世紀にインドから移住したタミール人は5.6%、約103万人です。

現代の西洋民主主義国家であるポルトガル、オランダ、イギリスは中華人民共和国がチベットなどでチベット人の人口移動や漢族の移住を非難しますが、17世紀、18世紀には彼らはそれと同様な行為をスリランカに限らずアジア・アフリカの植民地で行っていました。それが200年経った現在に至って、アジア・アフリカで問題となっているということです。

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